About HEXACO

HEXACOモデルとは

Honesty-Humility / Emotionality / eXtraversion / Agreeableness / Conscientiousness / Openness

6因子モデルの背景

HEXACOは、心理学者 Kibeom Lee と Michael C. Ashton によって2004年に提唱された性格の6因子モデルです。 名称の HEXACO は、6つの因子の頭文字(H・E・X・A・C・O)を並べたものです。 ビッグファイブ(5因子モデル)が長年標準として用いられてきた中で、HEXACOは 「ビッグファイブでは十分に捉えられていない人格的変異が存在する」という語彙研究上の発見から提案されました。

複数言語(英語・ドイツ語・オランダ語・イタリア語・韓国語・日本語など)の辞書に含まれる性格形容詞を 大量に因子分析すると、どの言語でも一貫して6番目の因子が浮かび上がることが確認されています。 その6番目の軸こそが、HEXACOにおけるHonesty-Humility(誠実さ・謙虚さ)です。 このH因子は、誠実性(Conscientiousness)とは区別され、 「他者を騙さず・搾取せず・地位に執着しない」という倫理性の個人差を捉えます。

6因子の意味

H|誠実さ・謙虚さ

誠実・公正・貪欲でない・謙虚という側面を測る。高い人は約束を守り、 不正な手段で利益を得ることを嫌う。低い人は打算的・権謀術数的な傾向が強くなる。

E|情動性

恐れ・不安・依存・感情共鳴の強さを測る。 ビッグファイブの Neuroticism と類似するが、より対人共感と感情の豊かさに比重がある。

X|外向性

社会的自尊心・大胆さ・社交性・活発さ。 ビッグファイブの Extraversion とほぼ重なる。

A|協調性

許容・温和・柔軟・忍耐。ビッグファイブ版 A よりも、 「怒りへの耐性」に比重が置かれる点が特徴。

C|誠実性

秩序性・勤勉性・完璧主義・慎重さ。 HEXACO版では「倫理的誠実さ」はH因子に分離されているため、 より純粋な「勤勉性・規律性」に焦点がある。

O|開放性

美的感受性・探究心・創造性・非因習性。 新しい経験・芸術・アイデアへの開かれ度合いを測る。

24ファセット(細分化された側面)

各因子は4つの下位ファセットに分かれます。HEXACO-BASICは各ファセットの概要スコアを結果画面で表示します。

H 誠実さ・謙虚さ

誠実さ/公正さ/物質欲/謙虚さ

E 情動性

恐れやすさ/心配傾向/依存性/情緒反応

X 外向性

社会的自尊心/社交的大胆さ/社交性/活発さ

A 協調性

寛容/温和/柔軟/忍耐

C 誠実性

秩序性/勤勉性/完璧主義/慎重さ

O 開放性

美的感受性/探究心/創造性/非因習性

HEXACO-PI-R との違い

HEXACO-BASICは、IPIP-HEXACO(International Personality Item Pool の public domain 版尺度)を参考に、 BIG5-BASICの既存項目群を組み替えて独自に開発した検査です。 Lee & Ashton 公式のHEXACO-PI-R(Personality Inventory, Revised)とは別の検査であり、 公式テスト結果とは区別してご利用ください。

HEXACO-PI-R の実施や心理臨床・採用選考等での使用をお考えの場合は、 公式の研究者ウェブサイト(hexaco.org)をご参照ください。

BIG5との違い

ビッグファイブ(BIG5)が「開放性・誠実性・外向性・協調性・神経症傾向」の5因子で性格を捉えるのに対し、 HEXACOは「誠実さ・謙虚さ(H因子)」を独立した6番目の因子として追加した6因子モデルです。

モデル 因子数 主な特徴
BIG5 5因子 O・C・E・A・Nの5軸。心理学の主流モデル。
HEXACO 6因子 H因子(誠実さ・謙虚さ)を追加。打算性・欺瞞性などの「ダーク」特性も測定可能。

H因子はBIG5の協調性(A因子)や誠実性(C因子)と一部重複しますが、 道徳的誠実さ・権威への迎合・物質欲の低さなど、BIG5が捉えきれない側面を独自に反映します。 職業倫理や対人信頼性の予測においてH因子が有用であることが研究で示されています。

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ダーク・トライアドと倫理性の測定

HEXACOのH因子が低い場合、心理学的にはダーク・トライアドと呼ばれる性格特性—— マキャベリズム(目的のために手段を選ばない傾向)・ナルシシズム(自己特別視・称賛欲求)・ サイコパシー(共感の欠如・衝動性)——との相関が高くなることが研究で示されています。

これらの特性は「悪い性格」ではなく、環境によっては交渉力・リーダーシップ・ 高ストレス下での冷静さとして機能します。HEXACO-BASICの Shadow Profile では、 これらのダーク特性を含む6指標をスコア化して表示します。 自分のプロファイルを知ることで、強みとリスクの両面を把握できます。

Shadow Profile(影の指標)

HEXACO診断の特徴のひとつが、6因子の組み合わせから算出されるShadow Profileです。 以下の6つの副次指標で、あなたの社会的行動傾向の「影の側面」を数値化します。

マキャベリズム
H低×A低で上昇。戦略的・打算的な行動傾向。
ナルシシズム
H低×X高で上昇。自己特別視・称賛欲求の傾向。
サイコパシー
H低×E高で上昇。共感欠如・衝動性の傾向。
詐欺師適性
H低×X高×C低で上昇。欺瞞的行動への傾きやすさ。
ギバー度
H高×A高で上昇。利他的・奉仕的な行動傾向。
タイプ希少性
6因子の偏り度合い。高いほど強い個性を持つ。

HEXACOをさらに深く知るコラム

H因子・ダーク・トライアド・Shadow Profileなど、HEXACOの理解を深めるコラム記事をまとめました。

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参考文献

  • Ashton, M. C., & Lee, K. (2004). Psychometric properties of the HEXACO Personality Inventory.
  • Lee, K., & Ashton, M. C. (2008). The HEXACO Personality Inventory–Revised.
  • International Personality Item Pool (IPIP). https://ipip.ori.org/

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