職種・職業データ

職種で性格は違うのか

12職種・10職業のビッグファイブを、回答データ53,988件で比べる(2026年9月)

「営業は外向的」「エンジニアは内向的」といった言い方は、どこまで実際のデータに合っているのか。BIG5-BASICの回答データ53,988件(2026年3月6日〜9月2日)を、回答者が自分で選んだ職種・職業・年代ごとに集計して、5因子の平均を比べました。

先に結論を書くと、言われているとおりの差は出ます。ただし差は小さく、いちばん大きな差は職種でも職業でもなく年代でした。

この調査の概要

結論
掲載集計では、職種別の外向性は営業が回答者平均より+3.1、エンジニア・技術が−1.8でした。年代別の勤勉性は10代45.9に対し60代以上53.5で、差は0.89標準偏差と、掲載した職種・職業の差より大きくなっています。
対象
BIG5-BASIC無料診断の受検者のうち、年代を回答した人。職種・職業別の表は、それぞれの設問に回答した人を対象にしています。
集計期間:2026-03-06 〜 2026-09-02
有効回答
N=53,988人
集計・除外条件:信頼性ランクS/A/Bのみ。同一メールの再受検は最新1件に集約。各グループn≥300のみ掲載。
方法
職種12・職業10・年代6グループごとに5因子T得点の平均を算出。差の基準は、各設問に回答した人の加重平均です。
限界
自発的にWeb診断を受けた人の集計で、日本の就業者全体の代表サンプルではありません。群の平均差は個人の適性や優劣、同じ人の加齢による変化を示すものではありません。
引用するときは
BIG5-BASIC「職種で性格は違うのか」(2026年、N=53,988)https://big5-basic.com/front/column/job-personality-profile

集計方針:測定方法・データ分析方針 / 最新データ:DataLab

この記事の要点

・職種では営業の外向性が最も高く(+3.1)、エンジニア・技術が最も低い(−1.8)。言われているとおりの向きに出ます

・デザイン・クリエイティブは創造性だけが突出(+2.7)。他の4因子はほぼ平均どおりです

・職種・職業を通じていちばん尖っているのは経営・管理職と会社経営者・役員。会社経営者・役員の創造性は+5.9(0.63標準偏差)で全体の最大です

・ただし最大の差は年代。勤勉性は10代45.9 → 60代以上53.5 と0.89標準偏差動き、どの職種差よりも大きい

・差はいずれも0.2〜0.6標準偏差程度で、同じ職種の中の個人差のほうがずっと大きい。向き不向きの判定には使えません

集計対象は、BIG5-BASIC(120問)を受けて年代を回答し、回答の信頼性がS・A・Bのいずれかだった53,988件です。同じメールアドレスの再受検は最新の1件にまとめています。職種・職業は、診断前の基本情報画面で本人が選んだ選択肢をそのまま使っています。

数字はすべて偏差値(平均50・標準偏差10)で、表に出ているのは「その設問に回答した人全体の平均」との差です。職種の表なら「職種を回答した17,398件の平均」が基準、職業の表なら「職業を回答した44,855件の平均」が基準になります。

基準を全体平均(53,988件)にしなかったのは、全体の40%が学生だからです。学生を含む平均を基準にすると、働いている人はほぼ全員が勤勉性でプラスに出てしまい、職種どうしの比較になりません。そのため各表は、同じ設問に答えた人の中での差を見ています。表をまたいで数字を直接足し引きすることはできません。

1グループの件数が300未満のものは載せていません(職種の「その他」、職業の「定年退職」「士業」「その他」が該当します)。また情動性は、数字が高いほど論理側・低いほど情動側(論理=安定側、情動=繊細側)です。BIG5-BASICの結果ページと同じ向きにそろえてあり、「高い=不安定」という意味ではありません。

なお、業種(IT・通信、医療・福祉など14業種)での比較は【統計レポートvol.4】14業種別 性格プロファイル完全版にあります。本記事は「どんな業界か」ではなく「どんな仕事をしているか」で分けたものです。

基準は職種を回答した17,398件の平均です。プラスは黄、マイナスは青で塗っています。

職種件数外向性協調性勤勉性情動性創造性
営業1,601+3.1+0.5+0.9+1.2+0.4
企画・マーケティング797+2.7+1.4+2.3+1.4+3.1
事務・管理2,340-1.7-0.4+0.0-0.1-1.1
人事・総務592-0.3+1.0+1.2+1.6+0.1
経理・財務399-1.5-0.3+1.2+0.7+0.1
エンジニア・技術3,139-1.8-1.0-0.7-0.5-0.4
デザイン・クリエイティブ1,236-0.2-1.4-0.3-1.3+2.7
研究・開発695-0.1+0.1+0.3-0.0+0.8
販売・サービス2,230-0.3-0.4-1.3-0.7-1.1
医療・介護2,519-0.1+0.6-0.5-0.4-1.0
教育・講師1,270+2.3+2.0-0.1+0.1-0.7
経営・管理職580+2.7-0.1+3.6+2.4+4.3
−6 +6 単位は偏差値ポイント(平均50・標準偏差10)

言われているとおりの差は、確かに出ます。営業の外向性 +3.1 は12職種で最大、エンジニア・技術の外向性 −1.8 は最小です。ただしエンジニア・技術は他の4因子がいずれも平均から1ポイント以内で、外向性以外は目立った特徴がありません。「技術職は変わっている」という話が出てくることがありますが、少なくともこのデータでは、外向性が少し低いだけです。

デザイン・クリエイティブ:創造性だけが突出

創造性 +2.7 に対して、外向性 −0.2・勤勉性 −0.3 とほぼ平均どおり。協調性 −1.4、情動性 −1.3(情動側)が続きます。5因子のうち1つだけがはっきり上に出るのは、12職種の中でこのグループだけです。

経営・管理職:協調性以外の4つが高い

創造性 +4.3、勤勉性 +3.6、外向性 +2.7、情動性 +2.4(論理=安定側)。一方で協調性は −0.1 と平均どおりで、ここだけ上がっていません。創造性の +4.3 は12職種で最大(0.46標準偏差)です。

教育・講師:協調性が12職種で最も高い

協調性 +2.0、外向性 +2.3。人と向き合う時間が長い職種では、営業(協調性 +0.5)よりも教育・講師のほうが協調性が高く出ています。一方で創造性は −0.7 と、やや保守側です。

逆に、事務・管理と販売・サービスは5因子のほとんどがわずかにマイナスです。事務・管理は外向性 −1.7・創造性 −1.1、販売・サービスは勤勉性 −1.3・創造性 −1.1。ただしどれも1ポイント台で、「特徴がない」と読むほうが実態に近い大きさです。

こちらは職種ではなく、働き方(雇用形態や立場)での分類です。基準は職業を回答した44,855件の平均です。

職業件数外向性協調性勤勉性情動性創造性
会社員(正社員)12,034-0.7+0.4+2.0+1.5+0.7
会社員(契約・派遣)1,220-2.1-0.4+0.8+0.4-0.2
公務員1,185-0.1+1.6+2.4+1.7+0.5
自営業・フリーランス1,901+0.0-1.4+2.7+0.9+4.3
会社経営者・役員426+3.0-0.8+5.1+3.7+5.9
パート・アルバイト2,811-1.9-0.6-0.2-0.4-0.6
学生21,818+1.1+0.2-1.6-0.9-0.8
専業主婦・主夫665-2.1-0.6+1.9-0.1+2.0
無職1,759-4.1-3.5-2.3-2.6-0.9
医療従事者1,036-0.5+1.3+2.1+1.1+0.5
−6 +6 単位は偏差値ポイント(平均50・標準偏差10)

職種より差が大きく出ます。会社経営者・役員は創造性 +5.9・勤勉性 +5.1・情動性 +3.7・外向性 +3.0で、創造性の +5.9 は0.63標準偏差。この記事に出てくるすべてのグループの中で最大の差です。自営業・フリーランスも創造性 +4.3・勤勉性 +2.7 と同じ方向に出ていて、協調性だけが −1.4 と下がります。

会社員(正社員)・公務員・医療従事者は、勤勉性が +2.0 〜 +2.4、協調性が +0.4 〜 +1.6 と、そろって穏やかなプラスです。一方で会社員(契約・派遣)は外向性 −2.1、パート・アルバイトは外向性 −1.9 と、外向性が下がります。学生は勤勉性 −1.6・外向性 +1.1 で、年代の影響がそのまま出ている形です。

「無職」の行について。5因子すべてがマイナス(外向性 −4.2、協調性 −3.5、情動性 −2.6、勤勉性 −2.3、創造性 −1.0)で、表の中では目を引く並びになります。ただしこの選択肢には、求職中・休職中・療養中・転職の合間など、事情の異なる状態がまとめて入っています(「定年退職」は別の選択肢です)。自己評価の診断である以上、回答した時点の状況がそのまま数字に出ている可能性が高く、その人がもともとどうであるかとは切り分けられません。この行を人の資質の話として読むのは、データの使い方として正しくありません。

職種と職業を並べたあとで年代を見ると、話が変わります。

年代件数外向性協調性勤勉性情動性創造性
10代17,871+1.3-0.5-2.6-1.1-1.2
20代19,917+0.2+0.5+0.3-0.1-0.0
30代9,530-1.8-0.3+1.6+0.8+1.0
40代4,309-1.8-0.1+3.3+1.8+1.6
50代1,934-1.0+0.7+4.5+2.5+2.0
60代以上427+0.0+0.2+5.0+2.9+1.8
−6 +6 単位は偏差値ポイント(平均50・標準偏差10)

勤勉性は10代の45.9から60代以上の53.5まで、7.6ポイント(0.89標準偏差)動きます。職種の最大差(経営・管理職の創造性 0.46標準偏差)のほぼ2倍で、この記事のどのグループ分けよりも大きな差です。情動性も0.51標準偏差ぶん動き、年代が上がるほど論理側に寄ります。

外向性だけは単調ではありません。10代の51.4がいちばん高く、30代・40代の48.4が底で、60代以上で50.2まで戻ります。協調性はほとんど動きません(幅0.12標準偏差)。

職種の差と年代の差は混ざっています。たとえば経営・管理職の勤勉性 +3.6 は、40代 +3.3・50代 +4.5 という年代の効果とほぼ同じ大きさで、年齢が高い人が多いことで説明できてしまう可能性があります。一方で創造性 +4.3 のほうは、年代の効果が最大でも +2.0(50代)なので、年代だけでは説明しきれません。本記事は年代をそろえた調整をしていないため、この切り分けは厳密ではありません。年代と性格の関係そのものは性格はいつ完成する?年齢別の人格成熟データで詳しく扱っています。

因果は読めません。営業の外向性が高いのは、外向的な人が営業を選ぶからなのか、営業の仕事をするうちにそうなるのか、このデータでは区別できません。横断データ(ある時点で測った1回分)なので、どちらの向きの説明も同じくらい成り立ちます。

日本の働く人全体を代表するデータではありません。対象は、自分から無料のWeb診断を受けに来た人です。年代では10代・20代が7割を占めますし、職種を回答しているのは全体の32%です。同じ職種でも、診断を受けに来る人とそうでない人で傾向が違う可能性は残ります。

差の大きさを見誤らないでください。いちばん大きい会社経営者・役員の創造性でも0.63標準偏差で、これは「会社経営者・役員のうち、創造性が全体平均を下回る人がおよそ4人に1人(26%)いる」程度の重なりです。職種の差にいたっては0.2〜0.46標準偏差で、同じ職種の中の個人差のほうがはるかに大きい。「この職種だからこういう性格のはず」という読み方はできません。

集計条件の考え方は測定方法・データ分析方針に、最新データの探索はDataLabにまとめています。

2026年9月から、BIG5-BASICの結果ページに「同じ職種の人と比べると」という比較が表示されるようになりました。この記事と同じデータを使って、あなたの5因子と、同じ職種を選んだ人たちの平均との差を出しています。

基本情報の画面で年代を入力すると年代別の比較が、職業・職種まで入力すると、より近いグループとの比較が結果に出ます(職種 → 職業 → 年代の順に、いちばん具体的なものが選ばれます)。向き不向きを判定するものではなく、「同じ仕事をしている人たちの中での自分の位置」を見るための表示です。

あなたの5因子は、同じ職種の人と比べてどうか。
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本記事の数値の引用は、出典明記(「BIG5-BASIC 職種で性格は違うのか」+本URLへのリンク)の上で自由に行えます。

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